醸造と化学反応

tinybrewery2006-03-20




光合成の化学反応

 6CO2 + 12H2O → C6H12O6 + 6H2O + 6CO2 …(1)

 二酸化炭素 + 水 → ブドウ糖 + 水 + 酸素

 植物は 太陽のエネルギーを使って 二酸化炭素と水から ブドウ糖と酸素を作ります
 この反応が起こるのは 昼間だけです 

呼吸の化学反応

C6H12O6 + 6O2 + 6H2O → 6CO2 + 12H2O …(2)

ブドウ糖 + 酸素 + 水 → 二酸化炭素 + 水

 植物は ブドウ糖と 空気中の酸素を使って 呼吸をし エネルギーを得ています

 この反応は 昼も夜も行われます

・ついでに

 化学反応というのは 温度が高いほど 活発になります

 植物は 昼間にブドウ糖を作って その一部を 呼吸のために 使います 

 夜間は ブドウ糖を消費する一方です

 昼の温度が高く 夜の温度が低いと 果物のブドウ糖がふえて 甘くなります

 昼夜の寒暖の差が大きいところで おいしい果実ができるのは このためです

酒つくりの化学反応

デンプンから糖をつくる *1

(C6H10O5)n → C6H12O6 …(3) *2

デンプン → ブドウ糖
 

アルコール発酵(ブドウ糖の場合)

C6H12O6 → 2C2H5OH + 2CO2 …(4)

ブドウ糖 → エタノール + 二酸化炭素 *3

アルコール発酵(果糖の場合)

C6H12O6 → 2C2H5OH + 2CO2 …(4)と同じ

果糖 → エタノール + 二酸化炭素

アルコール発酵(しょ糖の場合)

C12H22O11 + H2O → C6H12O6 + C6H12O6 …(5)

しょ糖 + 水 → ブドウ糖 + 果糖 *4

 次に 酵母菌のはたらきによって   

C6H12O6 → 2C2H5OH + 2CO2 …(4)と同じ

ブドウ糖 → エタノール + 二酸化炭素

C6H12O6 → 2C2H5OH + 2CO2 …(4)と同じ

果糖 → エタノール + 二酸化炭素

 しょ糖は 水と反応して ブドウ糖と果糖になります
 そのあとの反応は 前と同じです 結局

C12H22O11 + H2O → 4C2H5OH + 4CO2 …(6)
 
しょ糖 + 水 → エタノール + 二酸化炭素

 のようになります

・アルコール発酵の化学反応式は 酵母菌の呼吸の式です

 酵母菌は 酸素のある状態では 通常の呼吸をします(酸素呼吸)

 しかし 酸素のない状態では 糖をエタノール二酸化炭素に分解して エネルギーを得ます(無気呼吸)

 私たちは 酵母菌の無気呼吸を利用して 酔っぱらっているのです


 写真は インデックス・ボトルです まだ発酵が進んでいるのが わかります


*1: デンプンから: 日本酒 焼酎 ビール ウイスキーなどをつくる場合

*2: これは 完全な化学反応式ではありません

*3: 二酸化炭素: ビールやシャンパンの泡になります

*4: 補糖として 砂糖(しょ糖)を使用した場合は この反応がおこります