自説醸造学 2



2. 醸造の仕組み

2.1. でんぷんを原料とする酒

 ビールや日本酒のように、でんぷんを原料とするものが、醸造の基本です。

 でんぷん → 糖 → アルコール

 ワインの場合は、葡萄を原料にしますから、糖が原料です。

 でんぷんを原料とする醸造の、前半を省略した形と考えることができます。

2.1.1 ビール

 次に示す醸造工程図は、Sankt Gallen のパンフレットに載っていたものです。 *1

 中規模のブルーワリーの方式です。

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  1. 粉砕・マッシュ
  2. 醸造
  3. 冷却
  4. 発酵漕
  5. 濾過
  6. サーバー漕

 市中のレストランでは、発芽の工程は出来ないので、発芽(モルティング)をすませた原材料からはじめていると想像しています。

2.1.2 ウイスキー

 次に示す工程図は、スコッチのモルトウイスキーの本格的な製造工程です。

 Collins Gem WHISKY からの引用です。 *2

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  1. モルティング
  2. マッシュ
  3. 発酵
  4. 蒸留
  5. 熟成

 ウイスキーの製造では、蒸留と熟成の2つの工程が加わります。

 一定の材料と工程で出来たウイスキーを、モルトウイスキーと言います。

 2種類以上のモルトウイスキーを調合したウイスキーを、ブレンデッド・ウイスキーと言います。

2.1.3 日本酒

2.2. 糖を原料とする酒

2.2.1 ワイン

 ワインは、原料が葡萄ですから、糖からスタートします。

2.3. まとめ

・ 醸造の工程は、でんぷん → 糖 → アルコール です。

・ ワインの様に、糖からスタートする種類もあります。

・ 酒の原料は、でんぷん又は糖ならば何でもよいです。

・ 最後に、蒸留するものがあります。

・ 2種類以上の原酒を、調合(ブレンド)する場合もあります。


*1: ブリュー・レストラン サンクト ガーレン

*2: ISBN 0-00-472263-9