しょ糖からの発酵

tinybrewery2006-03-22




・たいていのワインつくりの本には ブドウ糖からはじまる 発酵の式が書いてあります

C6H12O6 → 2C2H5OH + 2CO2 …(4)


この式の意味は 次のとおりです

ブドウ糖の分子1個 → エタノールの分子2個 + 二酸化炭素の分子2個

次に 分子の重さを計算してみます *1

ブドウ糖 180 → エタノール (46×2) + 二酸化炭素 (44×2)

上の数字の 180 46 44 のことを それぞれの分子の 分子量といいます

数字に単位がついていないのは それが重さの比だからです

簡単に言ってしまえば 180g のブドウ糖から 92g のエタノールと 88g の二酸化炭素ができるということです

・しょ糖から始まる発酵の場合は

C12H22O11 + H2O → 4C2H5OH + 4CO2 …(6)

しょ糖の分子1個 + 水の分子1個 → エタノールの分子4個 + 二酸化炭素の分子4個

しょ糖 342 + 水 18 → エタノール (46×4) + 二酸化炭素 (44×4)

上と同じように考えて

342g のしょ糖と 18g の水から 184g のエタノールと 176g の二酸化炭素ができる

2で割ると

171g のしょ糖と 9g の水から 92g のエタノールと 88g の二酸化炭素ができる

・2とおりの発酵について 糖とエタノールの重さだけを比べると

 ブドウ糖の発酵: 180g の糖 → 92g のエタノール

 しょ糖の発酵:  171g の糖 → 92g のエタノール

 ほとんど似たようなものです(違いは 約5%)

・本には ブドウ糖の発酵の式だけが書いてあるのは このような事情があるからでしょう

謝辞: 内容について KK研究所のKKさんに 校閲いただきました 有難うございます


 今日は ワールド・ベースボール・クラッシック優勝を記念して 2本だけ瓶詰めしました


*1: 重さ: 原子の重さについては  http://d.hatena.ne.jp/nearbridge/20060319