しょ糖からの発酵
・たいていのワインつくりの本には ブドウ糖からはじまる 発酵の式が書いてあります
この式の意味は 次のとおりです
ブドウ糖の分子1個 → エタノールの分子2個 + 二酸化炭素の分子2個
次に 分子の重さを計算してみます *1
ブドウ糖 180 → エタノール (46×2) + 二酸化炭素 (44×2)
上の数字の 180 46 44 のことを それぞれの分子の 分子量といいます
数字に単位がついていないのは それが重さの比だからです
簡単に言ってしまえば 180g のブドウ糖から 92g のエタノールと 88g の二酸化炭素ができるということです
・しょ糖から始まる発酵の場合は
しょ糖の分子1個 + 水の分子1個 → エタノールの分子4個 + 二酸化炭素の分子4個
しょ糖 342 + 水 18 → エタノール (46×4) + 二酸化炭素 (44×4)
上と同じように考えて
342g のしょ糖と 18g の水から 184g のエタノールと 176g の二酸化炭素ができる
2で割ると
171g のしょ糖と 9g の水から 92g のエタノールと 88g の二酸化炭素ができる
・2とおりの発酵について 糖とエタノールの重さだけを比べると
しょ糖の発酵: 171g の糖 → 92g のエタノール
ほとんど似たようなものです(違いは 約5%)
・本には ブドウ糖の発酵の式だけが書いてあるのは このような事情があるからでしょう
謝辞: 内容について KK研究所のKKさんに 校閲いただきました 有難うございます
今日は ワールド・ベースボール・クラッシック優勝を記念して 2本だけ瓶詰めしました
*1: 重さ: 原子の重さについては http://d.hatena.ne.jp/nearbridge/20060319